車いすとテニス 国枝慎吾 30歳
車いすテニス、2バウンドしてもOKという以外、他は何一つテニスと変わりありません。国枝慎吾選手は、病気と戦いながら史上最高の優勝記録保持者で2006年から2015年現在まで、不動の世界ランキング1位を誇る圧倒的な王者なのです。
数年前に日本の記者が元男子シングルス世界1位のロジャー・フエデラー(スイス)にインタビューした際に「なぜ日本のテニス界には世界的な選手が出てこないのか」ということを聞いたそうです。普段は温厚な態度とクールな声で答えるフエデラーですが、この時は記者の眼を見据えて厳しく甲高い声で「何を言っているんだ君は?日本には国枝慎吾がいるじゃないか!」と。30歳国枝慎吾選手は、テニスの車いす部門で世界的に活躍する選手で、2004年のアテネパラリンピックでダブルス優勝。2008年の北京・2012年のロンドンとパラリンピックで2大会連続シングルス金メダルを獲得している他、クランドスラム(世界4大大会)では世界最多勝記録を誇っています。9歳の時に脊髄腫瘍による下半身麻痺のため車いすの生活が始まり、母親の薦めで小学6年で車いすテニスを始めたそうです。脊髄腫瘍になった患者は一生歩けないことが多いのですが、地の滲むようなリハビリ、テニスへの情熱と病気に負けない気持ちで26歳を迎えた2010年に自らの足で歩行を可能にしています。錦織圭選手の応援もそうですが、国枝選手さらに2014年全米オープン女子単・複で初優勝した上地結衣選手など車いすテニス、今後の活躍を見守りたいですね。(H.A)
[ 更新:2015-02-17 08:46:48 ]